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院長挨拶

病院の原点

歩み入る人にやすらぎを、去りゆく人に幸せを!
Pax intrantibus. Salus exeuntibus.

院長 島内 正樹城壁に囲まれたドイツの都市、ローデンブルグのシュピタール門に刻まれた文字なのだそうです。
この門を出入りする旅人に対する優しい想いと、いたわりの気持ちが伝わってくる言葉です。

その昔、キリスト教会内に、長旅の中で病気や怪我などの苦難の道を歩んできた巡礼の旅人達(HOSPES)を宿泊させる施設がつくられHOSPISと呼ばれました。そしてそのような傷つき、安らぎを求める人に対するもてなしの気持ちをHOSPITALITYと呼びました。その後、旅人の宿泊施設、教会に学ぶ若者の宿舎、病人の療養所という機能を併せ持ったHOSPITALという総合収容施設が造られようになりました。近世になって、コレラやチフスのような伝染病がヨーロッパ中に蔓延すると、この収容施設は病人のための治療施設HOSPITALという性格を強め、それに伴って旅人の宿HOTELと学生寮HOSTEL(今のユースホステルにつながる)はそれぞれ独立した施設へと発展していったそうです。現在の末期癌患者さんの緩和ケアを行う施設としてのHOSPISという言葉もこれに由来します。

しかし、今の日本の病院の多くは、医療だけで安心や幸福を与えることは難しくなり、その崇高な語源からは遠く離れて、患者さんの思いとは逆の、苦痛を与えるような医療を提供してしまうこともあります。現在の社会事情では、病院単独では患者さん達に十分満足の得られる治療、療養の提供は困難で、地域の様々な医療、介護施設との連携が不可欠です。私たちは、このような連携強化をはかりつつ、かつて安らぎと休息を求めて門を叩いた旅人に与えられたHOSPITALITYの気持ちを持って、患者さんに向き合っていきたいと考えています。


平成25年7月吉日

社会医療法人青雲会 青雲会病院
院長 島内 正樹

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