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理事長挨拶

今から9年前、胃癌の手術を青雲病院で受けました。医師や職員の一生懸命な治療・看護に心から有難いと感謝しながらも、居室関係の構造上の不備や職員の言葉使いの悪さに初めて気付き、これでは駄目だと悟り、入院中に心機一転、病院の新築移転を決断致しました。お陰様で現在も生き延びておりまして、移転後、病院名も青雲病院から青雲会病院へと変更しました。早くも5年目を迎えております。この間、「何か世の為人の為」の理念のもと、

  1. 救急医療のさらなる進化
  2. 最期は青雲会病院でと云われる組織作りを目指す

この2つを基本方針として掲げ、環境整備、医療機器の刷新、職員の質の向上、接遇の大改革を実行しております。

環境整備は、敷地内全面禁煙とし、喫煙者は入院患者であれば退院していただき、職員は退職していただいております。 また、全職員で建物・敷地内の清掃を夕方5時から毎日行い、病室での便臭には直ぐに対応するよう職員にお願いしております。
職員の質の向上や人材の確保は一朝一夕には成し得ません。医師・看護師不足は深刻であり、救急医療を進化させるための最大の問題です。

救急医療の現場ではその殆どが診療時間外や深夜の対応です。現在の青雲会病院では時間外の診療は当直医一人の対応しか医師不足のため行うことが出来ません。医師は専門性を重視されるため幅広い対応は専門外として嫌がる傾向にあります。患者は医師であれば何でも対応してくれるものと期待し、考え方の違いから齟齬が生じます。多くの患者は夜間の対応に感謝してくれますが、中には不満たらたらで言い争いになり、警察を呼ぶこともあります。こういう事が頻発すると「当直はしたくない、退職したい」という申し出に繋がり、医師不足に拍車をかけるわけです。現在は少ない人員で当直を回しておりまして、この地域の救急を担う組織として、何とか凌いでいる現状です。気鋭の医師の入職を待ち望んでいるところです。
看護師も新卒者の半数が県外に就職する為、絶対数が不足しているとの事です。 残りの半数を国公立病院や民間の大病院と獲得を争う訳ですから、なかなか思う様に確保出来ません。また、女性が殆どですので、配偶者の転勤、結婚、出産などで退職する人も後を絶ちません。このため、慢性的な看護師不足が解消できない状態が続いております。
ギャレット・ハーディンは宇宙船地球号を例にとり、「共有地の悲劇」を提唱しています。皆が平等に「いつでも」医療が受けられる(共有地を利用できる)と考えていると、限りある資源(人材)が枯渇してしまうという事です。
コンビニ受診や救急車はタクシー替りと揶揄される現在の世相に於いて、少ない人材で救急医療に携わる地方の病院の現状を地域の方々によく理解して頂き、疲弊しきって撤退する事のない様、救急病院としての青雲会病院をお育て頂きたいと思っております。
しかしながら、当院の職員の士気は非常に高く、人の命を救うことや人の役に立つことに誇りを持ち、患者・家族の感謝の言葉に心からの喜びを味わっていることを素直に表明してくれます。疲労困憊していても「ありがとう」の言葉一つで生きがいや仕事にやりがいを感じると言います。職員には感謝に耐えません。ぬくぬくとした環境では「ゆでガエル」の説に倣うならば、パラダイムシフトは起こり得ないかもしれませんが、人手不足で厳しい状態の今こそパラダイムシフトを起こす好機かもしれません。

今、まさに発展途上にある青雲会病院ですが、いつの日か、私を含めて、どなたが入院されても満足の行く組織に成っていくものと思いますし、最期は青雲会病院でと言われる日もそう遠くないものと確信しております。人材不足の時もあったという時代が来ることを期待したいものです。

月日は百代の過客にして行きかう年もまた旅人なり。

平成25年1月吉日

社会医療法人 青雲会
理事長 川井田 浩

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