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ボトックス外来

痙縮(けいしゅく)とは

痙縮


脳卒中などで麻痺してしまった筋肉に無意識に強い力が入ってしまい、手足が動きにくくなったり、勝手に手足が曲がってしまったりする状態です。

緊張が強すぎて痛みが生じることもあります。脳血管障害・脊髄損傷・無酸素脳症が原因で生じます。

痙縮で曲がってしまった手足を長い間放っていると、筋肉が固くなったことで関節の動きが悪くなり、歩行や日常生活動作などに障害をきたすことがあります。


ボトックス療法とは

ボツリヌス菌から生産されるタンパク質を、緊張が強くなっている筋肉に入れることで、筋肉を動かしている神経の働きを抑え、筋肉を柔らかくする治療です。
ボトックス療法ではボツリヌス菌を直接使用するわけではないので、ボツリヌス菌に感染する危険性はありません。
2015年の脳卒中治療ガイドラインでは痙縮による関節可動域制限に対して、グレードAと評価が高く、痙縮改善に対して使用が推奨されています。


ボトックス治療の効果と持続性

注射後2~3日後から徐々に効果が現れ、1~2週間ほどで状態は安定してきます。個人差もありますが、3ヵ月ほど効果は持続した後に徐々に効果は消失していきます。


ボトックス療法の副作用

副作用として一時的に次のようなことが生じることがあります。

  • 脱力感
  • 注射部位の疼痛や筋痛
  • 倦怠感
  • 息苦しさ
  • 食物の飲込みにくさ
  • 痙攣

上記症状のある場合は医師に相談してください。


当院でのボトックス療法の流れ

当院でのボトックス治療は以下の流れで行っていきます。

痙縮2


 

① 医師の診察を受ける。
② リハビリの評価・検査を受けて、痙縮が生じている筋肉を判別し、ボトックス注射を行う筋肉を決定する。
③ ボトックス注射の実施。
④ 注射後から外来リハビリ開始。
⑤ 2週間後、1・2・3ヵ月と定期的に評価・検査を行い、ボトックス治療による変化の経過を見ていく。

①~⑤を繰り返し行うことで、痙縮の改善・日常生活動作の改善を図っていきます。

*当院のリハビリは担当制となっているため、外来リハビリについては担当スタッフと相談して決めていきます。


ボトックス療法後のリハビリについて

ボトックス療法後は、3時間以内に筋肉を動かすことで薬の効果が現れやすくなります。


当院でのリハビリの評価・検査について

当院では、ボトックス療法前・後に以下の評価・検査を行っています。

  • 関節可動域検査
  • Modified Ashworth Scale(痙縮(けいしゅく)の検査)
  • Fugl-Meyer Assessment(脳卒中の総合的な検査)
  • 10M歩行検査

これらを注射前後、2週間後、1~3ヵ月後に行うことでボトックス療法の効果や持続性、痙縮(けいしゅく)の変化などを経過的に記録することで、医師と担当セラピストが話し合い、ボトックス療法の方針を決めていきます。


ボトックス療法の事例紹介

  • 60歳代 女性 注射部位:橈側手根屈筋・尺側手根屈筋(※1)
  • 主訴:握りこみが強く、歩行時に爪が食い込むため痛みがある。

ボトックス 画像②治療前ボトックス 画像③治療後

 



※1 橈側手根屈筋()・尺側手根屈筋(

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ボトックス療法をはじめてみたいと考えている方へ

詳しくは脳神経外科 島内院長にご相談ください。

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