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マスク着用時のコミュニケーション

コラム

マスクを着用していると「話しにくい」「聞き取りにくい」「表情を読み取りにくい」ということを経験したことがありませんか?

令和2年5月4日「新しい生活様式」が公表され、私たちの日常生活の在り方も変わろうとしています。
その中の一つが「マスクの着用」です。感染防止策の一つとしてマスクの着用が推奨され、外出時、屋内にいるときや会話をする時は、症状がなくてもマスクを着用することが具体例として示されました。

私たちの声は、呼気(吐き出した空気)を声帯で管楽器のリードのように振動させ気流の波を作りだし、口腔や鼻腔に抜けるまでの間に口唇や舌の動きで気流の響かせ方を変化させ特徴をつけることで私たちが認識できる特定の「音」となります。
「声がこもっている」「声が小さくなった」と感じるのは、マスクによって伝わる音のパワーが弱められ気流の流れを放出出来ないことが原因として考えられます。
聞こえ方に影響するとされている高音の音声は「摩擦音」と呼ばれる音に分類され、上顎と舌で作った狭いスペースを気流が通過することで4000㎐前後の高い数となり、加齢に伴い聞き取りにくくなる周波数と一致しています。

聞き間違いのリスク軽減、聞き返しの減少等のコミュニーションの劣化の予防など、新しい生活様式に慣れるまでには時間が必要ですが、これからは、医療従事者ばかりでなく様々な年齢層の人が日常的にマスクを着用しますので、より一層お互いのコミュニケーションの図り方に工夫が必要です。

マスクで会話

マスクを着用している時のコミュニケーションのポイントは、以下の4点が挙げられます。
  1.  マスクを着用していることを意識し低めの声で話をする。
  2.  「あ・い・う・え・お」の母音部分の発声は口唇や下顎の動きを意識しやや大きめに動かすことを意識する。
    ※例えば「さかな」と発声する場合は、「s・k・n]と青字の部分で大きな口の動きを意識する。
  3.  アイコンタクトを数秒やや長め(5~6秒)にすることを意識する。
  4.  目の動きや身振りを効果的に用いて表現力を高める。

リハビリテーション部 言語聴覚士

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