医療法人青雲会は、平成27年9月で解散し10月より社会医療法人青雲会として新たに発足しました。
社会医療法人の資格要件としては、次の3項目のいずれかを満たしている事が要求されています。
- 時間外の救急車の数が年間750台以上である事
- 時間外の初診割合が20%以上である事
- 僻地医療を行っている事
1青雲会はBの要件を満たしていましたので、資格要件をクリア出来ました。更にCの要件は僻地と認定されている姶良市内の北山診療所に医師を派遣しており、本年6月を持ってCも資格要件を満たす事になります。Aもだいぶ要件に近づいてきました。但し医療法人設立にあたって必要とされた出資持分は全て寄付いたしました。社会医療法人化の目的は、社会医療法人化する事により税負担が大幅に免除される事です。(1)法人税 ⑵法人事業税 ⑶法人住民税 ⑷固定資産税 等が免除もしくは減額される事になります。医療法人では、経常利益の中からこの4税を負担するため、青雲会が医療法人のままでは将来必要とされるであろう建物や医療機器の刷新は不可能と判断し、個人資産保持より組織の充実のために、社会医療法人化へ舵をきったわけです。
1昭和55年病院設立以来、「何か世の為人の為」を理念として救急医療を行ってまいりましたが、税金の免除という(準公的医療機関としての位置づけ)恩恵を十分に認識し、今後は設備投資の増額、即ち医療機器の刷新に努め救急医療のさらなる充実を計ってゆきたいと考えております。医療機器の刷新につきましては、さっそく従来型の1.5テスラのMRIをシーメンス製の3テスラに変更し、頭部MRIが40分かかっていたものが5分で撮像出来るようにする予定ですし(9月1日稼働)、東芝製の超音波診断装置を新たに3台購入して診断の精度をあげております。更にレントゲン透視装置、手術室でのCアームポータブルレントゲン透視装置、画像撮影後の電子カルテへの3D画像処理システムの刷新など軒並み医療機器の更新が控えています。総額数億円程の新たな設備投資になるものと予想されますが、未だ新築移転して8年経過したばかりの僅か136床の病院で、更なる投資が出来るのも社会医療法人化出来た事によるものと思っています。青雲会病院を利用される多くの方々に最新の医療機器による充実した診断治療が出来る様、医師を含めた全職員が納得の行く医療が行なえる様、長期的視野を見据えながら出来る限りの環境整備を持続させて行こうと考えています。
1ヨーロッパには「目は腹より大きい」という言い伝えがあります。どんなに欲張っても腹(胃袋)には限度があるという意味ですが、目を充実させて、足るを知る事も必要であると戒めながら、組織を運営して行く所存です。
社会医療法人青雲会 理事長 川井田 浩

H28年6月7日撮影